ホームページを作ったあとのご相談で特に多いのが、「情報量が少なすぎて何も伝わらない」というケースと、その正反対の「情報量が多すぎて、ユーザーが何を見ればいいか分からない」というケースです。実はこの2つ、原因は真逆に見えて、根っこにある問題は同じだったりします。今回は、それぞれのパターンで何が起きているのか、そしてどう直せばいいのかを詳しく解説します。
ケース①:情報が少なすぎて、何も伝わらないサイト
会社概要とサービス紹介がざっくりあるだけで、実績も料金の目安も、お客様の声も載っていない。デザインはきれいなのに、いざ問い合わせようとすると「結局この会社に頼んで大丈夫なのかな」という不安が残ってしまうサイトです。
このパターンでよくあるのは、制作段階で「まずは公開すること」がゴールになってしまい、コンテンツを充実させる作業が後回しになっていることです。あるいは、社内に文章を書くリソースがなく、シンプルなページ数枚で止まってしまっているケースもよく見られます。
情報が少ない場合の対策
情報が少ないサイトに足すべきなのは、量ではなく「ユーザーが意思決定するために必要な情報」です。やみくもにページを増やすのではなく、以下の観点で抜けているものがないかをチェックすると効果的です。
- 料金の目安(「要相談」だけでなく、金額帯や事例ベースの目安があると安心材料になる)
- 実績・事例(数だけでなく「どんな悩みをどう解決したか」が分かる具体例)
- お客様の声・第三者評価(自社で言うより、他者の声の方が信頼されやすい)
- よくある質問(問い合わせ前の不安を先回りして解消する)
- スタッフや代表者の顔・人柄が分かる情報(特に地域密着のBtoCでは重要)
情報を増やす際は、一気にすべてを作り込む必要はありません。まずはよくある質問への回答や、代表的な事例を1〜2件でもいいので追加するだけで、サイト全体の説得力は大きく変わります。
ケース②:情報が多すぎて、何を見ればいいか分からないサイト
トップページを開いた瞬間に、文字がびっしり。メニューも項目が多く、どこを押せば知りたい情報にたどり着けるのか分からない。企業としては「せっかくだから全部伝えたい」という気持ちの表れなのですが、見る側からすると情報の洪水になってしまっています。
このパターンの根本にあるのは、多くの場合「会社目線で言いたいことが多すぎて、一般のユーザー目線で見られていない」ということです。少し厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、これは決して珍しいことではなく、むしろ真面目に事業に取り組んでいる会社ほど陥りやすい落とし穴です。
自社の強みやこだわり、歴史、技術力など、伝えたいことがたくさんあるのは当然のことです。ただ、それを全部同じ熱量でトップページに詰め込んでしまうと、ユーザーからすると「結局この会社は何が一番の強みなのか」「自分に関係あるのはどの部分なのか」が分からなくなってしまいます。
社内の意見だけで作られたサイトにありがちなこと
情報過多になりやすいもう一つの原因が、サイトの内容を決める過程で、社内の担当者や経営者の意見だけで完結してしまっていることです。決して悪気があるわけではなく、むしろ「あの情報も入れた方がいいのでは」「これも大事だから載せておこう」という前向きな気持ちの積み重ねが、結果として情報過多を招いてしまうのです。
社内で日々その業界・その商品に向き合っている人にとっては当たり前の情報でも、初めてサイトを訪れるユーザーにとっては専門用語だらけで理解が難しかったり、そもそも興味の入り口にすら立てていなかったりします。社内の視点だけで作られたサイトは、いわば「その会社をよく知っている人向け」のサイトになってしまいがちで、初めて訪れる人向けの案内としては機能しにくいのです。
このズレに気づくためには、社内の意見だけでなく、その業界に詳しくない第三者やお客様に近い立場の人にサイトを見てもらい、「どこで迷ったか」「何が分かりにくかったか」を率直に教えてもらう機会を作ることがとても有効です。
BtoBとBtoCで、意識すべきことは大きく違う
情報量の悩みを考えるうえで欠かせないのが、サイトを見ているのが「どんな人か」という視点です。BtoB(企業向け)とBtoC(一般消費者向け)では、見ている人の前提知識がまったく異なります。
BtoBの場合
訪問者はある程度その業界に詳しい担当者であることが多く、専門用語や詳細な仕様情報が「安心材料」として機能します。情報量が多くても、整理さえされていれば評価されやすい傾向があります。
BtoCの場合
訪問者はその業界の人間ではありません。専門用語や社内の理屈は伝わらないどころか、離脱の原因になります。「その業界を知らない人が読んでも分かるか」が最も重要な基準になります。
特にBtoCのホームページを作るときは、「自分たちにとって当たり前のこと」を一度すべて疑ってみることが大切です。専門用語を使っていないか、業界特有の常識を前提に説明していないか、一つひとつ見直すだけでも、ユーザーにとっての分かりやすさは大きく改善します。
ざっくりとした目安(文字数・ボタン数)
「結局どれくらいの量が適切なのか」という質問もよくいただきます。あくまで目安ですが、以下の基準を参考にしてみてください。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| トップページの主要メニュー(ヘッダーの項目数) | 5〜7個程度まで(多くても8個以内) |
| 1つのセクション内の見出し・要素数 | 3〜4個程度(多すぎると視線が迷う) |
| 1ページあたりの本文の文字量(サービス紹介ページなど) | 800〜1,500文字程度が読みやすい目安 |
| CTA(お問い合わせ・資料請求などのボタン) | 1画面につき目立つボタンは1〜2個まで。多すぎるとどれを押せばいいか迷わせてしまう |
| ボタンのテキスト | 「詳しくはこちら」より「料金を見る」「事例を見る」など、押した後に何が起きるか分かる具体的な言葉が効果的 |
これらの数字はあくまで目安であり、業種やページの役割によって最適な量は変わります。大切なのは数字そのものよりも、「初めて訪れる人が迷わず次の行動に進めるか」という視点で見直すことです。